たまには業務の様子を紹介します! Power Platformアイディアソンを支援しました。

Power Platformを活用したアイディアソンタイトル画像 毎日暑い日が続いていますが、皆様体調を崩されていませんでしょうか?
たまには、私たちが普段行っている業務の様子について紹介させていただきたいと思います。
今回は、Power Platformを活用したDX推進を行う企業向けに、社内アイディアソンを支援させていただいた様子をご紹介したいと思います。

目次

  1. まずはアイディアソンとは?
  2. 参加メンバー
  3. Power Platformを活用したアイディアソンの様子
  4. 成果と感想
  5. まとめ

1.まずはPower Platformを活用したアイディアソンとは?

アイディアソンなんて、聞き慣れない言葉だと思いますが、"アイデア"と"マラソン"を組み合わせた言葉で、参加者が集まり、短期間で新しいアイデアを出し合い、具体的なプランを作成するイベントです。
目的は、創造的な発想を促進し、課題解決を見つけることです。
アイディアソンは、ブレインストーミングのような形で進行し、異なる背景やスキルを持つ人々が協力して、新しい視点から問題にアプローチすることが特徴となっています。

今回は、物流をメインに行うお客様で、複数の部署の方に参加していただきました。

2.参加メンバー

以下の部門から各4名ずつメンバーが参加しました。

  • 経理部門: 4名
  • 営業部門: 4名

まずは、このアイディアソンの目的から。
私たちが目指したのは、日々の業務で生じる悩みや課題を持ち寄ることにより、課題や解決方法を共有することを目指しています。特に注目したのは、社内ではあまり活用されていないPower Automate(クラウドフロー)を使って、業務プロセスを自動化しようという試みでした。
テーマはシンプルで、「日々の業務をもっと効率よくしよう!」各部門の課題を持ち寄り、それを解決する方法を皆で模索しました。

3.Power Platformを活用したアイディアソンの様子

3-1.課題提出

まずは各部署の業務で抱える課題をPowerPointで事前に提出していただきました。この段階では、大まかに具体的な課題を明確にすることが重要でした。各部門が直面している問題点を可視化し、それを全員で共有することで、解決策を見つけるの目的です。

経理部門からは、「顧客ごとの支払条件の管理」
顧客ごとに異なる支払条件(支払期限、割引率、支払方法など)をExcelで管理しているため、支払期限の見落としや条件に従わない誤処理が発生することがある。支払い条件の課題イラスト
営業部門からは、「KPI(重要業績評価指標)の可視化不足」
営業担当者ごとの売上目標や進捗状況、KPIがリアルタイムで可視化されていないため、適切なフィードバックや軌道修正が難しい。営業活動の評価が曖昧で、成果に対するモチベーションが下がることがある。営業部門の指揮が下がるイラスト

このような課題が上がってきました。

2.解決方法の検討

次に、提出された課題をもとに、Power Platformを使用してどのように解決できるかを検討しました。このステップでは、各自のIT知識や経験を活かしながら、最適な解決策を模索しました。Power Automateを中心に、他のMicrosoftツールとの連携方法や、自動化の可能性について議論しました。業務改善やデジタル化を検討する中で重要視するのは、どこまで既存のデータの流れを残すかという点です。必要となるデータの保存場所が、置き換えるにはコストや労力がかかるものであれば、連動性をどのように確保できるのかを検討します。

経理部門「顧客ごとの支払条件の管理」について
検討を進めていると、
  • 現状のExcelシートには、データの長年の蓄積でメモの様な状態になっており、入力内容の棚卸が必要
  • Excel管理ではデータを誰でも変更出来てしまう
等が課題に上がり、 現状ではExcelでまとめられている情報を、SharePointリストへ移動して、Power Appsでアプリ化することを進めることにしました。
更に会社名などで検索できることや、支払日が近づくとPower AutomateでTeamsに通知を出して支払い忘れを注意喚起する機能も検討しました。
顧客ごとの支払条件の管理改善図
営業部門の「KPIの可視化不足」について
営業部門では、KPIの可視化が不十分であることが課題となっていました。これに対応するため、まずはPower Appsを利用して入力画面を作成し、データを集約する案が提案されました。しかし、現状では売上や顧客関連のKPIはCRM、商品・サービス関連のKPIはExcelといったデータが異なって導入・活用されているため、統一的なデータ入力方法を導入するのは時期尚早と判断されました。

具体的には、各部署が現在使用しているツールに慣れており、既存のワークフローを大幅に変更することは混乱を招く可能性が高いという懸念がありました。また、ツールの導入が間もない状況で、全社的に新しい方法を採用することが、必ずしも正解ではないという認識も共有されました。
そこで、まず徐々に改善を図るアプローチが取られることになりました。具体的な対応として、現在Excelファイルが社内のファイルサーバーに保存されていましたが、そのファイルをSharePoint移動することが提案されました。これにより定期的にPower Automateを利用してデータを抽出できるように変更しました。また、CRMからのデータ取得については、API連携を利用してデータを取り出すことになりました。最終的に取得したデータはSharePointリストへ保存することで可視化することとして、今後Power BIなどの活用を検討しました。
これらの取り組みにより、段階的にKPIの可視化を進めるとともに、社内全体でのデータ活用の基盤を整えていく方針です。このプロセスでは、社内データの流れを把握しながら、少しの時間でできる改善から始め、将来的にはより高度なデータ分析や可視化の導入を目指しています。>営業部門の「KPIの可視化不足を解決するシステム図

4.成果と感想

各参加部門のメンバーからは、アイディアソン後には様々な感想をいただきました。

■経理部門Aさん
営業部門との合同開催でしたが、普段では他部門の業務を知ることができないので、自部門にも活かせそうな内容があったのが新しい発見でした。
部門の業務改善をゆっくり検討する時間は、なかなかこういう機会がないと取れないので、定期的に開催していきたいです。
これからアプリケーションを伴走支援でフロッグポッドさんと開発していきますが、事前にアイディアソンをおこなったことで作成するアプリケーションのクオリティが具体的になりました。
既存の経理システムへの連動に関しても回答していただきありがとうございました。
■営業部門Bさん
4人で検討を行うときに、なかなかアイディアを出せず聞くだけになってしまったのですが、日常の業務を改善するポイントを得ることができました。
データを集約する方法は、社内の色々な過去の歴史で導入された経緯があるので、そこを変更せずにデーターを活用することが出来て良いと思いました。

5.まとめ

課題を部署の方々と社外の私たちの視点と組み合わせることで、既定の業務ルールに当てはまらないディスカッションできて大変有意義な時間となりました。
検討した課題は、これからPower Platform伴走技術支援を通じて形にしていきますが、ただ作るのではなくて課題をみつけてコストを試算して取り組むことが大切です。
ご参加していただきありがとうございました。

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