[Power Platform管理ツール] CoEスターターキットを導入してみた
皆様ご無沙汰しております!
この記事は冬休みを使って、Microsoft Power Platform Center of Excellence (CoE) スターター キットをインストールしてみた感想や導入方法などをまとめています。
しかし記事は年始に書いていたのに、公開する本日が29日なので、もう1月が終わってしまうことに恐怖を覚えます、、、、
導入の前に
「Power Platform 導入の成熟度モデル: 目標と機会」というページが非常に参考になりました。
このページには、組織へPower Platformを導入する成熟度を5段階でレベル分けをして解説しています。
- レベル 100 - 初期
- レベル 200 - 繰り返し可能
- レベル 300 - 定義済み
- レベル 400 - 利用可能
- レベル 500 - 効率
組織でどのように導入しデジタル変革していけば良いのか、スタッフの教育からデジタル変革チームの作り方から、セキュリティポリシー、管理・運用など詳しく解説されているので、ぜひ一読してみてください。
今回のCoEスターターキットを導入するのはレベル200に該当します。
Power Platform 導入の成熟度モデル: 目標と機会
CoEスターターキットとは?
Power PlatformのCoEスターターキットは、組織内のPower Platform利用を促進し管理するためのツール群となっています。
具体的には、アプリケーションの開発、使用状況のモニタリング、パフォーマンスの分析、ガバナンスとコンプライアンスの確保、およびユーザーのエンゲージメントとスキルアップを促進する機能を備えています。これにより、組織はPower Platformの資源を最適に利用し、セキュリティと効率性を保つことができます。
Center of Excellence (CoE) の概要
利用条件
- まず初めに重要なことですが、導入に辺りPower AppsとPower Automate、Power BI レポートを共有したい場合は有償ライセンスが必要となります。
- CoEスターターキットはアンインストールすることも考慮して、専用環境に導入することを個人的にお勧めします。(テスト用と運用用の 2 つの環境を用意)
- Microsoft Power Platform サービス管理者、グローバル テナント管理者、または Dynamics 365 サービス管理者のいずれかの管理者権限も必要になります。
- Power BI Desktopにてダッシュボードが提供されているので、閲覧される方はインストールが必要となります。
詳しくは、 https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-platform/guidance/coe/setup#what-identity-should-i-install-the-coe-starter-kit-with
ファイルダウンロード
僕が把握が難しかったのは、ダウンロードした圧縮ファイルの中に、たくさんのコンポーネント(ソリューションファイル)があるので、どれが何に使えるファイルなのか、かなり混乱しました。
もちろんLearnにはきちんと書いてあるので、詳しくは下記のリンク先を参考にしてください。
ソリューションをダウンロードする(各ソリューションの内容説明)
簡単にまとめた一覧は以下の通りです。
セクション | 要約 |
---|---|
センター オブ エクセレンス - コア コンポーネント CenterofExcellenceCoreComponents_○○_managed.zip |
CoEの基本的な構築ブロックを提供し、管理アプリの構築と環境内のアプリ、フロー、メーカーの可視性を向上させます。日々の管理タスクに役立つツールも含まれています。これが一番最初にインストールするコンポーネントになります。 ■対象のダッシュボード Production_CoEDashboard_October2023.pbit(クラウド フロー経由で取得できる場合、主にこちらを利用) BYODL_CoEDashboard_October2023.pbit(Data Lake Storageなど管理データを保存しているときに利用) |
センター オブ エクセレンス - ガバナンス コンポーネント CenterofExcellenceAuditComponents_○○_managed.zip |
アプリの監査とコンプライアンスのプロセスに重点を置き、メーカーからの追加情報の収集や特定のコネクタやアプリの使用状況の監査を支援します。 ■対象のダッシュボード PowerPlatformGovernance_CoEDashboard_November2023.pbit(運用とガバナンスの Power BI ダッシュボード) |
センター オブ エクセレンス - 育成コンポーネント CenterofExcellenceNurtureComponents_○○_managed.zip |
メーカーの育成と内部コミュニティの構築を支援し、ベストプラクティスとテンプレートの共有、新しいメーカーのオンボーディングに役立つ資産を提供します。 ■対象のダッシュボード Pulse_CoEDashboard.pbit(育成コンポーネントの Power BI ダッシュボード) |
Power Platform 管理計画コンポーネントのソリューション admintaskanalysis_core_○○_managed.zip |
Microsoft Power Platformの管理と導入に関する計画をサポートするモデル駆動型アプリとPower BIダッシュボードを提供します。 ■対象のダッシュボード Power Platform Administration Planning.pbit(導入運用管理タスク データを共有するダッシュボード) |
センター オブ エクセレンス - アプリケーション ライフサイクル管理コンポーネント CenterofExcellenceALMAccelerator_○○_managed.zip |
ALMプラクティスのためのガイダンスとツールを提供し、ソリューションの健全なALMプロセスをサポートします。 |
センター オブ エクセレンス - イノベーション バックログ コンポーネント CenterofExcellenceInnovationBacklog_○○_managed.zip |
組織内のイノベーションを追跡し、アイデアの優先順位付けと管理をサポートするツールを提供します。 |
インストール
事前の条件はこちらのページを参考にしてください。
CoE スタート キットを設定する前に
本文中の注意事項にもありますが、導入したら終了ではなく定期的にアップデートが必要になります。
少なくとも 3 か月ごとに CoE スターター キット ソリューションをアップグレードすることをお勧めします。 Microsoft Power Platform の変更ペースが速いため、更新を 3 か月以上行わないと、更新時に予期しない問題が発生する可能性があります。
インストール方法
上記にも触れたように、かなり頻度が高くバージョンアップしていくので、インストール方法を紹介しても内容がすぐに古くなります。詳しくは下記のページを参照して最新の情報を参照してください。
以前のスターターキットはインストールするのもかなり大変でしたが、セットアップウィザードのお陰で設定が非常に便利になっています。
インベントリ コンポーネントを設定する
インストールされるアプリケーション
センター オブ エクセレンス - コア コンポーネント(CenterofExcellenceCoreComponents○○managed.zip)をインストールしてみました。
ソリューション内のアプリケーション一覧は下記の通りです。
- Admin - Access this App [works embedded in Power BI only]
BI ダッシュボードと一緒に使うアプリで直接は起動しない:キャンバス - Admin - Access this Flow [works embedded in Power BI only]
BI ダッシュボードと一緒に使うアプリで直接は起動しない:キャンバス - Admin - Environment Request [deprecated]
環境の要求、承認、作成、およびデータ損失防止 (DLP) ポリシーが自動化されます。廃止予定のアプリで今後はCoE Admin Environment Request (model driven app)を使うように指示が出ていました:キャンバス - App Catalog
起動すると何も一覧に表示されませんが、このアプリは管理したい開発したアプリを登録することで初めて表示されますので、環境にあるアプリを一覧で表示してくれるアプリではないのでご安心を:モデル駆動型 - CoE Admin Command Center
管理者が他の CoE スターター キット リソースに移動するためのコマンド アンド セットアップ センター:モデル駆動型 - CoE Maker Command Center
メーカーと共有して、メーカーが CoE アプリを操作し、Power Platform の最新ニュースを入手できるようにします:モデル駆動型 - CoE Setup and Upgrade Wizard
CoE スターター キットのガイド付き セットアップ ウィザード。インストール後の設定はこちらのアプリで行います。:モデル駆動型
- DLP Impact Analysis
データ損失防止 (DLP) ポリシーを読み取り、更新すると同時に、ポリシー構成の影響を受けるアプリとフローのリストを表示します。:モデル駆動型
- Maker - Environment Request [deprecated]
廃止予定のアプリ.Makerが、新しい環境や DLP ポリシーの変更の適用などの Power Platform 管理サービスとリソースをリクエストできるようにします。:モデル駆動型 - Power Platform Admin View
すべての環境からアプリやフローなどの情報を一元化しているアプリ。これを見れば環境内の状況が把握できます:モデル駆動型
- Set App Permissions
環境毎に保存されているアプリケーションに管理者が権限を付与することができる。閲覧権限のないアプリを管理対象にすることができる。:キャンバス
- Set Flow Permissions
環境毎に保存されているフローに管理者が権限を付与することができる。閲覧権限のないフローを管理対象にすることができる。:キャンバス
- Setup Wizard - ARM Features
ARM および GCC などの非商用テナントで利用するセットアップウィザード:モデル駆動型
最後に
基本のコアコンポーネントだけでも、どんなアプリがあるのか把握が大変でしたが、触れてみると管理者向けの便利なツールが提供されていて驚きました。
単純な管理であればコアコンポーネントだけでも十分そうです
カスタマイズもしてみたいですが、バージョンアップが早いのでアップデート時に動かなくなるのも怖いので、しばらくはデフォルトのままで運用してみたいと思います。
注意事項
クラウドサービスなので、ソリューションの設定反映には少し時間がかかります。特に何らかの理由でソリューションごと削除する場合には、エラーが表示されて綺麗に反映されるまで数日かかる場合もありましたので、「慌てず」というのも難しいですが少し待ってみましょう。
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