基礎に戻って見えてきたこと――デザイン力を磨く朝活バナートレースで得た3つの気づき

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はじめに

毎朝の朝活として、最近バナートレースを続けています。

実務を重ねる中で、ある時期から自分の成長に対して、どこか手応えを持てなくなっていました。

特に大きかったのは、デザインを自分で作るだけでなく、人に伝える立場になったことです。

自分で手を動かしていたときはなんとなく形にできていたものの、
「なぜこのデザインなのか」「どう考えればいいのか」を言語化して伝えようとしたときに、うまく説明できない。

そうした経験を通して、自分の理解が感覚に頼っていたことや、再現性のなさを強く実感しました。

ディレクション力、デザイン力、言語化能力......。
どれも足りていない気がするけれど、何から手をつければいいのか分からない。

そんなときに「一度、基礎に戻ろう」と思い、選んだのがバナートレースでした。

同じように、
「仕事は回せているけど、成長実感が持てない」
そんな状態にある方には、ひとつの参考になるかもしれません。

朝活としてのバナートレース

正直なところ、これまで業務外でまとまった学習時間を取ることはあまりできていませんでした。
フルリモートの時期もありましたが、業務外の時間をうまく活用できていたかというと、まだ工夫の余地があったと感じています。

そんな中で、「短い時間でも継続できる形をつくれないか」と考えたときに、朝活というスタイルにたどり着きました。
朝の時間は一日の中でも頭がフラットで、インプットにもアウトプットにも向いていると感じています。

バナートレースは短時間で完結するうえ、成果が目に見え、考えながら手を動かせるのが朝活にぴったりでした。

現在は、無理なく続けるために以下のようなルールで実践しています。

  • リモート勤務日(火・木):業務前に最低30分トレース
  • 出社日(月・水・金):通勤時間にトレース用のバナーを探す

ポイントは、「最低30分だけやる」と決めてハードルを下げることです。
完璧にやろうとすると続かないので、「短くてもいいから毎日触れる」ことを優先しています。

こうした形にすることで、これまでうまく使いきれていなかった時間を、無理なく学習に充てられるようになりました。

使用ツール:Figma

トレースにはFigmaを使っています。

デザインの再現だけでなく、
ツール操作にも慣れることを目的にしているのが理由です。

デザインスキルとツールスキルを同時に鍛えられるのも、バナートレースの良いところだと思います。

やってみてわかった3つの気づき

実際に続けてみる中で、特に大きかったと感じている気づきが3つあります。

1. フォントを瞬時に見分けられるようになった

バナーを見た瞬間に「これはどのフォントだろう」と考える癖がつきました。

もともと知識としては持っていたものの、
トレースを重ねることで判断スピードと精度が明らかに上がったと感じています。

いわゆる「絶対フォント感」のようなものが、少しずつ身についてきました。

欧文フォントは数えきれないほど種類がありますが、トレースを重ねる中で、
よく使われるフォントの傾向が少しずつ見えてきました。その結果、候補を絞りながら特定できるようになってきています。
一方で、日本語フォントはまだ傾向をつかめているとは言い切れず、引き続き観察と積み重ねが必要だと感じています。

フォント候補を並べて比較しながら特定しています。
欧文フォントだと思って検証していましたが、最終的には游ゴシックに近いと判断しました。

2. デザインの「意図」を考える癖がついた

以前の自分であれば、「どれだけ正確に再現できたか」だけで満足していたと思います。

でも今は、トレースしながら自然と

  • なぜこの余白なのか
  • なぜこのフォントの組み合わせなのか
  • なぜこの配色なのか

といった「意図」を考えるようになりました。

ただの模倣ではなく、簡単な分析を同時に行うことで、引き出しとして使える形に変わってきた感覚があります。

「見たことがある」から「説明できる」に変わる、この変化は大きかったです。

元バナーは判別できないよう加工したうえで、構造や文字組みを分析しています。

3. デザインの"ズレ"を言語化できるようになった

続けていくうちに、再現精度を自分で判断できるようになってきました。

カーニングや余白のわずかな違いに気づき、
「なんとなく違う」ではなく、「ここがこう違う」と言語化できるようになってきています。

この感覚があると、自分のデザインに対しても客観的に向き合えるようになります。

結果として、

  • 修正の精度が上がる
  • フィードバックが具体的になる

といった変化も実感しています。

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数字部分のフォントを特定するために一部を切り出して検証しています。

まとめ

バナートレースは、やる人のフェーズによって得られるものが大きく変わると感じました。

特に、
「なんとなくできている状態」から一歩抜けたいときには、かなり有効な手段だと思います。

朝の短い時間でも、確実に積み重なっていく。
そして何より、「自分はここまで理解できている」と言える感覚が少しずつ戻ってきました。

もし今、同じように手応えを感じにくくなっているなら、
いきなり大きく変わろうとしなくてもいいと思います。

まずは、1日10分でもいいので1つトレースしてみる。
そこから得られる気づきは、思っている以上に多いはずです。

基礎に戻ることは、遠回りではなく、
むしろ次に進むための一番の近道なのかもしれません。

こうした日々の小さな積み重ねを、今後の業務やチームへの還元にもつなげていければと思います。

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